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お役立ちコラム

保育士としての経験が療育に還元できる!!

2024.04.03

 

 

『保育』と『療育』の違い
保育を必要とする全ての子どもを対象とするのが「保育」で、発達に凸凹、遅れ、障害を持つ(もしくはその疑いがある)子どもを対象とするのが「療育」です。

発達障害は、脳の働きがアンバランスな状態になることで起こる障害です。健常者は脳が適切なバランスを保つことでさまざまな事象に対して柔軟に対応できます。しかし、発達障害によって脳のバランスが崩れてしまうと、極端に強く働く器官や極端に働きの悪い器官が出てしまいます。

これにより、生活のさまざまなシーンで生きづらさを感じてしまうのが発達障害です。後天的な生活環境や躾などは関係なく先天性として生まれ持つため、他人ができていることを何故自分はできないのか理解できず苦しむ人も多くいます。

 

療育にはどんな種類があるか

 応用行動分析学(ABA)

子どもの行動を科学的に分析し、特定の行動が起こる原因を探ることで、新たな行動を学習しやすくします。
一般的に不適切な行動をしないように指示を変える、望ましい行動を定着させるなどの工夫をします

TEACCH

アメリカで生まれたASD(自閉スペクトラム症)児支援の枠組みで、日本語では、「自閉症および、それに準ずるコミュニケーション課題を抱える子ども向けのケアと教育」と訳されます。
TEACCHプログラムは、自閉症の発達過程を「遅れている」あるいは「劣っているもの」と捉えて矯正していくのではなく、発達に凸凹(アンバランスさ)があるのだと捉えます。その上で、一人ひとりの優れた部分を発揮できるように支援していくことを目標としています。

 箱庭療法

箱庭療法は、砂の入った箱の中に、人、動植物、乗り物、建物などのミニチュアを置き、何かを表現したり遊んだりすることを通して行う心理療法です。
砂に触れるだけでも子供の頃の砂遊びを思い出し童心に返ったり、ミニチュアを見ているだけでも想像力が湧いてきたりと、イメージが広がっていきます。イメージは一つの意味に固定されず多様性があり、言葉にならないもやもやした気持ちと似ているものが1つの作品として表現できるようになります。

作業療法

身体や精神の障がいのある方、またそれが予測される方に対し、体や手を動かすなどの作業活動を用いて、治療、指導および援助を行う治療です。「こころのリハビリ」ともいわれています。

音楽療法

音楽を聴いたり、演奏をしたりすることで得られるはたらきを活用したリハビリテーションのこと。対象となる人が音楽に触れることで、心身の機能回復や問題機能の改善などが期待できると考えられています。
好きな音楽を聴く、タンバリンなどをたたいてリズムにのる、歌に合わせて体を動かす、歌をうたう…こうした音楽活動を通じて、脳の活性化をはかっていきます。

保育士が療育に活かせる効果

①チームワーク

保育園では、一人だけ、クラスでだけではなく、全体で子どもの姿を共有し、職員みんなで見守っていく職業であるため、多くの子供を一度に見なければならない保育園の現場では、『子どもの安全を守るため』『業務を滞りなく行うため』『保育園全体の雰囲気につなげるため』など、日常的に様々な角度から視野を広く持ち、同僚・地域や保護者とコミュニケーションを取らなければなりません。
そのような保育士のチームワークの意識やリーダーシップの取り方は、実は療育現場では貴重で適したものです。そのため多くの保育士が、療育現場での経験を積んで、児童発達支援管理責任者になったり、管理者としてキャリアアップをしています。

②保護者対応力

子どもたちの身の回りのお世話だけでなく、子どもの成長を一番の楽しみにしている保護者に向けて、子どもが成長していることを伝えるのも、保育士の大切なお仕事ですが、そんな保護者対応についても、他の職種にはなかなか難しいお仕事です。
保育士にとって、子どもたちと接する中で得られた傾聴力が、何よりの強みです。保護者対応は他の専門職、特に医療現場の出身の方にはなかなか不慣れな業務である中、保育士にとっては強みを発揮できる仕事といえます。
療育においても、保護者としっかりとした信頼関係を築けていれば、トラブルを回避できたり、子どもの相談もしやすくなります。

③健常児との違いも分かり、子どものペースに合わせてあげられる

発達障害児だけを保育だけでは、健常児との違いが曖昧になってくることもあります。特徴的で分かりやすい特性だけでなく、療育においては子どもによって特性の現れ方に差が見られるため、細かな変化や周りに紛れてしまっていて、指導員や保護者の方も気づけないような部分であっても、さまざまな健常児を保育してきた保育士ならではの視点で気づくという事例も多々あります。

こどもの療育で大切なこと

こどもの療育で最も大切で第一優先に考えないといけないことは,

『できることを増やす』ということです。

上記に挙げた療育の種類は一部であり、ひとりひとりの特性に合わせた療育を行い、ささいな感情や表情の変化に気づき、療育による適切なサポートを受けることで、お子さまのできることを増やし、個性を伸ばすことができるようになります。

このように、療育・保育の現場は互いに共通する部分も多く、保育士経験を活かした職業選択の幅も増えるでしょう

 

 

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